さようならiPhone SE。これで小型スマートフォンは絶滅した

(出典)WIRED
アップルが新しいiPhoneの数々を発表したが、そこにはコンパクトな「iPhone SE」の後継モデルの姿はなかった。
小型のスマートフォンが実質的に絶滅してしまったいま、その事実をわたしたちは受け入れるしかないのか。

2016年に発売されたSEは、画面サイズが4インチというコンパクトさだけでなく、低価格モデルという制約にもかかわらず多彩な機能が盛り込まれた点でも傑出していた。
当時のフラッグシップ機の「6S」と同じチップを搭載しながらポケットに無理なく収まる大きさであることに加え、発売当初の価格は16GBモデルが399ドル(4万4,700円)と、アップルの“標準”から考えれば驚くべき安さだった。
そして何より、ディスプレイの大型化というスマートフォン業界の流行に、果敢に立ち向かおうとしたのだ。

小型のスマートフォンはもはや実質的に存在しないと言っていい。
唯一の例外は、4月に市場投入されたソニーの「Xperia XZ2 Compact」だが、少し前にベルリンで開かれた家電見本市「IFA 2018」では、後継モデルを発売するような話は聞かなかった。

世界的な普及に伴い、大きなディスプレイの重要性は増している。新興市場では携帯電話がコンピューターの役割を果たすようになっているため、特にその傾向が強い。
スマートフォンがテレビの代わりとして使われていることすらあるのだ。つまり世のなかとつながるための唯一のデヴァイスで、必然的にかける金額も高くなる。

ディスプレイが巨大化する一方で、人間工学的な観点からある程度の工夫も行われている。新しいiPhone XRを例に見てみよう。ホームボタンの廃止とベゼル(画面の枠)を極限まで削ったおかげで、4.7インチの「iPhone 8」よりわずかに大きいだけなのに、ディスプレイのサイズは6.1インチだ。
ポケットにぎりぎり入れられる特大ガジェットと格闘する日々に疲れたわたしたちにとって、慰めは存在しない。実際、考えれば考えるほど腹が立ってくる。
SEのままでも、やり方によっては画面サイズをかなり大きくできたのではないだろうか。
あなたの親指も答えを知りたがっているはずだ。

コメント